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【感想】太陽の季節。Aqoursにはじめて会った夏【Aqoursぬまづフェス】

 
 
こんにちは、ノットです!
 
先日、『輝け! Aqoursぬまづフェスティバル in よみうりランド』に行ってきました。体験したすべての出来事が楽しくて、“一生忘れない1日”を過ごさせて貰いました。
 
今回は、そんな 『Aqoursぬまづフェス』の感想を綴らせていただきます。よろしくお願いします🙌
 
※ 画像は、公式HPより引用
 
正直に言うと、私は元々、当イベントに行く予定はありませんでした。参加を決めたキッカケは、ある方が書かれたブログです。
 
ブログはとても面白く、何より、誠実な語り口に好感が持てました。Twitterにて、私は、この記事の感想を引用RTしました。
 

 
こんなツイートをした手前、引くに引けなくなった……というのも、動機としては大きかったと思います。
 
もちろん、嫌だったわけではありません。私がいくらオタクとはいえ、興味のない物に7000円も払いません。とはいえ、義務感が全く無かったと言うと、それもウソになるでしょう。
 
参加前の私は、「仕事無いし、行ってもいいかな?」くらいの考えでいました。会話のネタにもなるし……みたいな。
 
ただ、結果としていま筆を執っているのだから、『Aqoursぬまづフェス』は、私の中の前評判を覆したということでもあります。
 
……いや、すげぇ良かったんすよ、本当。
 
 

初上陸!よみうりランド

 
5月22日、日曜日。多摩(らへん)。
 
そこには、予報はずれの晴れ空が広がっていました。いつもよりも濃く、深い青空は、見る者に新しい季節の訪れを感じさせます。電車を降り、最初に目に止まった景色がこれです。

 

※ 撮影: iPhoneSE 第一世代(無加工)

 
夏色の空があまりに綺麗で、私は、連番者さんを待たせているにもかかわらず、思わずシャッターを切ってしまいました。
 
このとき、時刻は9時50分。開演まではまだ余裕がありました。そのため、私は、お気に入りの1枚を収めてからも、手に持ったスマホをあちこちに向けて歩いていました。
 
京王よみうりランド駅の入口を、パシャリ。
 
逆光で暗くなった看板も、パシャリ。
 

※ 撮影: iPhoneSE 第一世代(無加工)

 
アングル調整のために立膝をすると、日差しを吸収したアスファルトが、既に熱を帯び始めていました。半月板には小石が喰い込み、赤紫色の跡が残ります。この日の私は、白シャツに短パンという出で立ちでした。
 
ポッケから伸びる充電ケーブルを払いのけ、型落ちスマホを構える姿は、なんとも滑稽だったでしょう。子連れの家族の目線が若干刺さりましたが、そんなのを今さら気にしていたら、オタクなんて出来ません。私は、動きやすい格好してきて良かった……などと、呑気なことを考えていました。
 
ですが、写真を一通り撮り終え、進行方向に振り向くと、私は絶句しました。目の前に山しかないのです。それは、“山のようにそびえ立つビル”ではない、本物の“丘陵”でした。まさか、東京でビル以外の「山」を拝む日が来るとは、夢にも思いませんでした。
 
 
(……よみうりランドは何処に?)
 
 
視界に映る景色には、遊園地要素のカケラもありません。状況を確認しなければならない。私は、一度しまったスマホを慌ただしく取り出しました。蒸れた汗が、背中を伝うのを感じました。

 

※ 画像は、公式HPより引用

 
京王よみうりランド駅」と「よみうりランド」の間には、約1.5kmの距離があります。遊園地へ行くには、徒歩であれば20分、直通のロープウェイを使っても、10分くらいの時間を要しました。ところが、アクセスをろくすっぽ調べずに来た私は、この所要時間を頭に入れていなかったのです。
 
 
(ヤバい! ヤバい!!)
 
 
焦った私は、大急ぎでロープウェイの往復券を購入しました。予想外に激しい昇降にビビりつつ、よみうりランド前に着いたのは10時過ぎ。開演まで、あと何分もありません。挨拶と謝罪もそこそこに、私と連番者さんは、早歩きで会場に向かいました。それでも、最終的に、足を踏み入れた時には滑り込みアウト。丁度、イベントが始まったところでした。
 
待たせた挙句、開演にも間に合わないなんて不覚の極みです。連番を組んで下さったセンケイさんさん、その節は本当に申し訳ありませんでした、、
 
 

体験する物語って、何だ?

 
なかば飛び入りのような形で、『Aqoursぬまづフェス』に参加した私。前情報といえば、先のブログで拝読した内容がすべてで、これから「体験する物語」がどんなものなのか、いまいちピンと来ていませんでした。
 
ですが、そんなそそっかしいオタクでも心配無用。イベントの冒頭に、浦の星女学院の生徒さんが、1日の流れを説明してくれました。当記事でも、概要をまとめておきましょう。
 
Aqoursぬまづフェス 概要】
 
“東京で沼津の魅力を表現する夢のフェスを作ろうとするも、人手が足りず実現が困難となってしまったAqoursは、助けを求めます。その呼びかけに応え、あなたは「助っ人さん」としてAqoursと一緒にフェスを作る決意をします──”
(公式HPより引用)
 
【当日のタイムテーブル】
 
①開催地へと赴き、
「助っ人さん」として、
フェスの準備をお手伝いする。
(約60分)
②自分や、他の「助っ人さん」
たちが作ったフェスに
自分たちで参加する。
(約55分)
③フェスの締め括りには、
千歌たちAqoursによる
特別ライブが行われる
(約30分)
 
Aqoursぬまづフェス』は、ランド内の芝生広場を丸ごと貸し切って行う一大イベントです。広場の各地には、『ヨキソバキッチン』や『ぬまづ富士山神輿(みこし)』、『各種展示』など、沼津の魅力を届けるブースが設置されています。けれども、あなたもご存知のように、浦の星女学院は、“生徒数が100人にも満たない、小さな高校”です。人手不足のため、どこも準備が滞ってしまっていたのでした。
 
 
「このままじゃヨキソバが作れないの!」
 
 
「おみこしが完成していないの!」
 
 
ブースからは、浦女の生徒たちの切実な叫びが聞こえてきます。私たち「助っ人さん」の役目は、そんな彼女たちの要請に応じて、「◯◯を手伝ってください!」というミッションをこなしていくことです。
 
もちろん、依頼の内容はそれぞれ異なります。ですが、いずれにおいても、なにか特別な技術を要求されることはありません。例えば、おみこしを作成するのに、トンカチやドライバーは使いませんし、ヨキソバを作るといっても、「助っ人さん」が料理をすることはないので、ご安心を。
 
むしろ、ここで特筆すべきは、ミッションがどれも「沼津を前面に出したもの」だということです。ミッションに取り組むうち、私は、『Aqoursぬまづフェス』が、Aqoursはもとより、“沼津を愛する人たちのためのイベント”である……という印象を受けました。
 
 
前述の通り、依頼をこなす上で、DIYや料理といった、専門的なスキルは要りません。ミッションはあくまでゲーム形式で、楽しみながら・遊びながら出来るものが揃っています。ゲームの一例を紹介しましょう。
 
 
『ヨキソバキッチン』
… ヨキソバの食材の「仕分け」。
 
『ぬまづ富士山神輿』
… 富士山をかたどったおみこしに、
 青色のシールを「貼り付ける」。
 
 

このとき、仕分ける食材はモチロン沼津産ですし、富士山といえば、沼津どころか静岡県の象徴です。このように、各ミッションには、沼津の要素がふんだんに盛り込まれています。極めつけは、『展示ブース』における、沼津のオススメスポット紹介です。

 

出典: 江本典隆 (@jtbpub_chubu)さんのTwitterより引用

 
壁面の地図には、「助っ人さん」選りすぐりの観光地が貼り出されています。ここでは、アニメに登場した、いわゆる聖地はもちろん、それ以外にも、幾つもの名所が紹介されています。沼津港にある海鮮料理の名店や、ピークタイムを外せば、すんなり入れる(こともある)「さわやか沼津学園通り店」。沼津駅北口から送迎バスが出ていて、永遠に時間を過ごせてしまう巨大銭湯「万葉の湯」……など、名所には枚挙に暇がありません。
 
中には、私が知らなかった場所も多くあり、水深日本一(2,500m)を誇る駿河湾の如き、沼津の底知れぬ魅力を思い知らされます。また、狩野川の花火大会の成功祈願なんかもあって、見たときには、思わず涙腺が緩んじゃいました。直筆なのがまた良いですね。無数に貼られた付箋は、さながら沼津愛を競い合うかのようでした。

 

 

(フェスを作るって、こういうことなんだ、、)

 

何も知らなかった私は、この圧巻の光景を目にしたことで、イベントの趣旨──すなわち、「体験する物語」の何たるかを理解したのです。そして、あっという間に準備時間は終わり、一同が見守る中、広場にフラッグが掲げられました。

 
Aqoursぬまづフェスを開催します!」
 
 
浦女の生徒の掛け声とともに、『Aqoursぬまづフェス』は、盛大に幕を開けたのでした。
 
 

太陽の季節Aqoursに初めて会った夏

 
太陽が、青空の一番高くまで昇ったころ。『Aqoursぬまづフェス』は、いよいよ本番を迎えました。かんかん照りの日光が、地肌をジリジリと焦がします。自分の前腕を掴むと、白い手形がクッキリ残りました。夏のはじまりです。
 

前述の通り、フェスの本番が始まると、自分たちが「作った」ブースは、自分たちが「参加する」ブースに変貌します。例えば、食材を仕分けた『ヨキソバ』は、調理がなされ、実際にいただけるようになっています。富士山のおみこしも、力我慢の「助っ人さん」たちが担ぐのです。

 
その他にも、会場では、沼津に関する知識を競うクイズ大会「沼津王決定戦」や、輪になって『サンシャインぴっかぴか音頭』を踊る「盆踊り」等、複数の行事が同時進行しています。まさに「夢のフェス」に相応しい、お祭り騒ぎが繰り広げられているのです。
 
もっとも、ここまで聞くと、フェスは「賑やかな場所が好きな人」向けのイベントに見えるかもしれません。きっと、こう思われる方もいるでしょう。「普段、こういった“まつりごと”に参加しない人は、フェスに行っても楽しくないのではないか?」「場違い感を感じるのではないか?」。
 
当然ながら、皆が皆、「賑やかな場所」が好き…なんてことはありません。もちろん、喧騒をきらう人はいます。そうでなくても、自分の感情をさらけ出したり、はっちゃけるのが苦手な人も少なからずいるでしょう。もしかしたら、それが理由で、フェスへの参加をためらう方もいるかもしれません。少なくとも、私にはその節がありました。
 
ですが、蓋を開けてみたら、心配は杞憂に終わりました。何故なら、皆も同じ気持ちと気付いたからです。それは、Aqoursちゃんとて例外ではなく、かつて、楽曲『Pops heartで踊るんだもん!』で、彼女たちは、こんなことを歌っていました。
 
人みしりでも大丈夫さ
おなじだよ 実はかなり shy heart! So, too shy my heart!
そんなの忘れちゃうくらいに
ずっと今夜は騒ぎたいな
Pops heartで踊るんだもん!/Aqours
 
千歌たちでさえ人みしりなのですから、況やオタクをやでしょう。それに、同じなのは、人見知りだけではありません。私と他の「助っ人さん」──もとい、私とあなたは、Aqoursちゃんが大好きな同士なのです。
 
確かに、『Aqoursぬまづフェス』のコンセプトは、「東京の人に沼津の魅力を伝える夢のフェス」です。ですが、フェスは同時に、不器用なくらい全力でAqoursちゃんと沼津を想い続けた、「僕らの、僕らによる僕らのためのイベント」でもあります。言ってしまえば、『Aqoursぬまづフェス』は、大好きを爆発させにきた者たちの集まりなのです。アニメはさておき、アニメの舞台への造詣の深さを競ってる時点で既にヤバいのです(褒め言葉)。気持ちは皆同じなのだから、恥ずかしがることはありません。
 
とはいえ、こういったイベントに不慣れな人の中には、「どう盛り上がればいいか分からない」なんて悩む方もいるでしょう。
 
 
 
(人目を気にする必要はない…)
 
 
 
(参加すれば楽しいのも分かる…)
 
 
 
 
(分かってはいるんだけど……)
 
 
 
かく言う私も、最初の一歩が踏み出せませんでした。フェスの中盤、会場内のミニステージでは、おみこしを囲んで「盆踊り大会」が開催されていました。踊りの曲目は、2ndライブでの披露が印象的な『サンシャインぴっかぴか音頭』です。
 
法被を着たオタクたちが一堂に集う光景は、初めて参加した埼玉公演の記憶を、否が応でも思い出させます。そういえば、当時も照れくさくなって、ちゃんと踊ることが出来ませんでした。頭では楽しいと分かっているのに、どうしても萎縮してしまったのです。あとで後悔するのに。実際、後悔したのに。それにもかかわらず、前回同様、私は二の足を踏んでいました。ですが、そんな様子を見かねてか、浦女の生徒のひとりが、私に声をかけてきたのです。

 

「お兄さん、おいでよ! 絶対楽しいよ?」

 
彼女は、顔中いっぱいに笑顔を浮かべていました。
 
 
「後悔しちゃうよ?」
 
 
彼女の眼には、あの日千歌たちに見た輝きがありました。瞳には、「瑞々しさ」と、前だけを見つめる「ひたむきさ」が宿っていました。その立ち姿は、紛れもない「浦の星女学院の生徒」でした。彼女は、かつて千歌たちが「僕ら」にしてくれたのと同じように、躊躇う私に手を差し伸べてくれたのです。
 
 
(……ああ、今なんだ)
 
 
 
(今が、君と僕とで、進む時なんだ!)
 
 
 

嬉しい気持ちが、湧き上がって弾けるのを感じました。動き出さずにはいられません。連番者さんも巻き込んで、私はついに、盆踊りに参加することにしました。あまりに夢中過ぎて、振付けがどうとか、正しく踊れていたのかとか、細かいことは覚えていません。ですが、ただひたすらに楽しくて、幸せでした。気付けば私は、おみこしの前に置かれたミカン箱の上で、両腕をブンブン振り回していました。

さて、こういった出来事もあり、今回のイベントでは特に、「浦の星女学院の生徒」たちが印象に残っています。底抜けに明るい立ち振る舞いは、アニメからそのまま飛び出したかのようでした。それどころか、現実の沼津の雰囲気さえ纏っていたように思います。彼女たちはきっと、東京より少しだけ穏やかに流れる時間の中で生きてきたのでしょう。それを最も強く感じたのは、生徒たちと千歌たちの、息の合った掛け合いでした。
 
Aqoursぬまづフェス』には、私たち「助っ人さん」と「浦の星女学院の生徒」に加え、Aqoursのメンバーも参加しています。イベントの最中、彼女たちは、沼津の「あるあるネタ」やスペシャルライブを披露してくれるのですが、あくまでもその姿は、イラストもとい3DCG。前者こそ、新規の立ち絵が描き下ろされていましたが、3DCGに関しては、スクスタのモデルがそのまま使われていました。もちろん、ハイテク技術で飛び出して見えたり、ヒーローショーみたいに着ぐるみが練り歩くこともありません。身も蓋もない言い方をすれば、作り物に過ぎないのです。ですが、今回のイベントでは、本来なら「作り物」であるはずの千歌たちが、まるで実在の人物であるように感じられました。否、本当に千歌たちがいたのです。
 
そのままでは、千歌たちAqoursは「画面の向こうの存在」でしかなかったでしょう。2次元と3次元の間には、原則的に突破不可能な壁があるからです。ところが、「浦の星女学院の生徒」たちは、この壁を越え、「次元の隔たり」の橋渡し役を担ってしまったのです。
 
互いを下の名前で呼び合う両者は、仲睦まじげな雰囲気を醸し出します。種類豊富に録られた台詞によって、会話のキャッチボールも、極めて自然に成立していました。ただ、それ以上にAqoursの存在を実感できた要因と言えば、やはり「浦の星女学院の生徒」の、聖地・沼津の雰囲気をも纏った言動です。元々は、Aqoursと同様アニメの住人に過ぎない彼女たちが、確かに目の前に立っていたからこそ、その延長線上にいる千歌たちのことも、実在の人物と感じられたのだと思います。
 
浦女の生徒を通じて、花丸の口から「沼津グルメあるある」を聞いたとき、笑うと同時に、胸が不思議と熱くなりました。「『どんぐり』さんで注文した料理は、初見だとどう取ればいいか分からない」……。
 
 
や、マルちゃん。マジでそれなのよ。
 
 
今回のイベントで、最も感動的な瞬間でした。立役者のみんなに、心からお礼を言わせて下さい。浦女の皆さん、Aqoursに出逢わせてくれて、本当にありがとうございました!
 
 
 

おわりに

 
いかがだったでしょうか?
かなり駆け足気味ではありますが、自分が感動した場面を中心に、フェスの感想を綴らせて頂きました。とはいえ、この文章を書いているのは、6月4日の午前2時過ぎ。5日に千秋楽を迎えるイベントの感想としては、あまりに遅すぎると言わざるを得ません。もっと早ければ良かったのにと、自分でも思います。すみません、、
 
ただ、大遅刻を承知のうえで、私がここまで筆を執ったのは、『Aqoursぬまづフェス』というイベントが、変わりゆく沼津の「イマ」を伝えるために考案されたイベントだからです。寄せては返す波に同じモノなど無いように、今年の夏は去年とは違います。先日も、仲見世商店街の「マルサン書店」さんが、5月31日を以て、惜しまれつつも営業を終了しました。少しずつですが、沼津は変わってきています。そして、それと同じように、私自身の心の在り方も、日々変わり続けているのです。
 
ひょっとしたら、いつか自分は、今とは全然違う考え方を持つようになるかもしれません。遠い未来、「あの日の自分は、どうしてこんなことをしていたのだろう?」と、忘れてしまう日が来るかもしれません。だからこそ、今、自分が素晴らしいと感じたことを書き留めておきたい。この感動に名前をつけてやりたい。言葉さえ残しておけば、それはいつしか足跡となって、軌跡をいつでも辿れるようになると思ったのです。
 
イマ、Aqoursちゃんを愛する気持ちを形にしたい。そんな気持ちにしてくれる『Aqoursぬまづフェス』なのでした。
 
 

※ 撮影: iPhoneSE 第一世代(無加工) 

 

 

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